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【ミライエンジン@上川】中高生が上川町にあったら嬉しい架空の店舗のウェブサイトをつくる

2023.04.20
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上川中学校、上川高校の生徒を対象に全4回にわたる教育プログラム「ミライエンジン」を実施しました。

ミライエンジンとは、地方創生推進交付金事業として実施する【風土水×地方×都市が育むWell-beingなライフスタイル推進プロジェクト】の一環で行われる事業で、上川町が目指す個人と社会全体のWell-being(幸福・豊かさ)の実現を念頭に、幼少期〜成人期までの連続した学びを実践し、郷土愛を持つ人材を育てることを目的とした事業です。

昨年の8月には、上川を飛び出し東京で3泊4日の教育プログラムとして「ミライエンジン」を実施。新しい場所へ越境し、これからの社会を考えるヒントを探すべく取り組みました。
上川発、東京行き!ミライエンジンを実施しました

本プログラムの流れは下記。

  • 第1回:ウェブサイトがどうやってできているのかを知り、上川町にあったら嬉しい架空のお店を考える。
  • 第2回:プロのウェブデザイナーに依頼をするためのデザインの骨組みを作る。
  • 第3回:人生の先輩たちにお仕事インタビュー。自分のミライについて考える。
  • 第4回:自分が考えたお店のウェブサイトを完成させる。

本プログラムでは、ウェブサイト制作という職業体験をするとともに、彼らのミライで、きっと当たり前の存在になっているであろうAIについても、いち早く生徒たちに体験してもらいます。

第1回目 ウェブサイトはどのようにしてできている?上川町に欲しいお店

まずは、実際に存在するお店のウェブサイトを見て、なぜこのようなデザインになっているのか考えます。
本プログラムの講師を担当したのは、AI・ウェブサービスを提供している株式会社デジタルレシピの齋藤さん。

パソコンやスマホで日常的に目にしているウェブサイト。意識をして見てみると、見に来た人が欲しい情報が欲しい順番に見つかるよう、人の行動パターンを考えて、サイトがデザインされていることがわかりました。

こちらの画像は、上川町のふるさと納税返礼品にもなっている「上川町産純粋はちみつ」を、ウェブサイトを訪問した購入希望者にわかりやすいようデザインした画像。

まずは、商品画像、その商品が何なのか?そして金額、さらに購入検討者を後押しする補足情報。このように、普段何気なく見ているウェブサイトは、その目的に合わせて、デザインが組まれているんです。

ウェブサイトがどのようにして制作されているのかを知ったら、ワークとして、これからウェブサイトを作ることになる、架空のお店を生徒たちが考えます。

生徒の皆さんからは、「本を読むとお金が貰える本屋さん」「車に特化したアミューズメント施設」「ファッションアイテムが景品のゲームセンター」など、独創的かつ本当にあったら面白いなというアイディアがあがりました。

第2回目 デザイナーに依頼するためのデザインの骨組みを作る

前回、アイディアを出した上川町にあったら嬉しいと思うお店。そのお店のウェブサイトデザインを考えます。

お店のキャッチコピーや目を引くキービジュアル画像がどんなものだったらいいのか考えるのです。
とはいえ、未経験の生徒たちがゼロから考えるのは大変です。そこでAIによる画像生成を試してみます。

近年、注目されている画像やテキストを生成するAI。現状はAIに詳細なプロンプト(AIへの指示文)を書かないと、実務レベルで使うのは難しい状況ですが、AIの進化にともない誰も気軽に利用できる存在になるはずです。
それをいち早く知ってもらう目的で、今回はAIに画像を作ってもらうことにしました。。

上記画像右は「車をテーマにしたアトラクション施設」、左は「本を読むとお金がもらえる本屋さん」のキービジュアル画像です。どちらも生徒が入力した指示を基にAIが描いたもの。
違和感がある部分はあるものの、存在しないお店をAIが理解して画像として生成できていることがわかります。

さらにお店のロゴや、サイト内に掲載したい文言をGoogleスライドに入力。ウェブデザイナーに依頼をするための、デザインの骨組みを制作していきます。

こちらが生徒が制作したデザインの骨組み。どんなお店なのか?どこに何を載せたいのか?が一目でわかるようになりました。

第3回目 人生の先輩たちにお仕事インタビュー。自分のミライについて考える

第3回目は、人生の先輩たちに、自分の考えたお店のアイディアについて相談をしたり、その方のこれまでの経歴をお聞きする回。

ご協力くださったのは、北海道の共通ポイントカードプログラム「EZOCA」を運営する株式会社リージョナルマーケティングの代表 渡部さんと、総務省の「地域力創造アドバイザー」も務める株式会社Connec.tの代表 小口さんです。

お二人に対するお仕事インタビューで、今自分が夢中になって取り組んでいることがいずれ自分の将来につながることなど、経験に基づいたアドバイスをもらいました。

第4回目 ウェブサイトを完成させ、宣伝方法を知る

そして、本プロジェクトも最後の授業。
生徒たちが制作したデザインの骨組みを、ウェブデザイナーがウェブサイト用にデザイン。実際にインターネットにアップしたものがお披露目されます。

本来なら、ウェブデザイン完成後にエンジニアによってコーディング作業を行いますが、最近ではノーコードでウェブサイト化できるツールがたくさんあります。

今回は講師を務めた齋藤さんが所属する会社デジタルレシピ「Slideflow」というサービスを使用してウェブサイト化しました。 「Slideflow」 は、パワーポイントやGoogleスライドで自由に制作したスライドが自動的にウェブサイトになるサービスです。

Googleスライドで制作されたウェブデザインをアップロードしたら数十秒で本当にウェブサイトができてしまいました!

実際のサイトはこちらから

技術の進歩はすさまじく、中学生・高校生でもこのようにウェブサイトを作ることができてしまうんです。

日々便利になる社会。特に最近は巷をにぎわすAIの進歩によって、人間の仕事が奪われてしまうのではないか?と心配もされているようですが、決してそんなことはありません。

パソコンやスマートフォンが当たり前になったときと同様に、人間に求められる役割が変わるだけ。
辞書を引く代わりに、ネットで検索をして情報を得るようになりました。AIは仕事を奪う存在ではなく、人の想像力や生産性を拡張する相棒になるのではないでしょうか。人間はそんなAIを使いこなすのが役目。

今回のウェブサイト制作体験を通して、ネットのお仕事、近い将来やってくるAIと人間の共生に触れてもらいました。そんな時代の働き方を少しでも感じてくれれば、参加してくれた生徒の将来にきっと役立つはずです。